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The Boy and The Beast ( リダイレクト:バケモノの子 ) : ウィキペディア日本語版
バケモノの子[ばけもののこ]

バケモノの子』(バケモノのこ)は、2015年7月11日に公開された日本アニメーション映画
時をかける少女』、『サマーウォーズ』、『おおかみこどもの雨と雪』に続く細田守監督による長編オリジナル作品第4作である。細田は前作に続き、自ら脚本も手がける。本作では、バケモノたちの世界にある都市・渋天街を舞台に親子の絆を描いた「新冒険活劇」となっている。
スペインで2015年9月に開催された第63回サン・セバスティアン国際映画祭では、アニメーション映画として初めてコンペティション部門に選出されたものの、受賞には至らなかった。
== あらすじ ==
多々良と百秋坊が「人間界(渋谷)に生きる少年(またの名を九太)とバケモノ界(渋天街)に生きるバケモノ(熊獣人の熊徹)を物語る」話。
9歳の少年・蓮は、両親の離婚で父親と離れることになり、親権を取った母親も交通事故で急死してしまう。両親がいなくなった蓮は親戚に養子として貰われそうになるが、引越しの最中に逃げ出し、渋谷の街を独り彷徨っていた。行くあてもなく裏通りでうずくまっていた夜、蓮は「熊徹」と名乗る熊のような容姿をしたバケモノ(獣人)に出逢うが、すぐに見失ってしまう。蓮は、「独りでも生きていきたい」との思いから、『強さ』を求めてそのバケモノを探しているうちに、バケモノの世界【渋天街】へ迷い込んでしまう。元の渋谷に戻ろうとするが、不思議なことに来たはずの道は閉ざされていた。
バケモノ界の長老である「宗師」は高齢で、近々引退して神になる予定であり、後継者を決めなければならなかった。後継者は最も武術に優れた者がなるしきたりであり、闘技会の勝者が次期宗師として認められるのであった。熊徹は、闘技会に出場するための条件として、弟子を取ることが現宗師により課せられていた。熊徹が人間界の渋谷に現れたのは、渋天街には自分の修行に耐えられる根性のあるバケモノがいないという理由だった。自分を追ってバケモノの世界に踏み込んだ蓮を熊徹は見込みがあると判断、蓮は熊徹の弟子となった。蓮は9歳だったことから熊徹に「九太」と名付けられ、共同生活を行うことになる。バケモノの世界では、人間を住まわせると、いつしか心に「闇」を宿し、大変なことになるという言い伝えがあるため、人間を弟子にすることは周囲が反対した。しかし九太(蓮)が弟子になることを現在の宗師が認めたのであった。しかし両者は性格がまるで合わず、事あるごとにいがみ合い、衝突し合った。しかしお互いに素の自分を出し切ってぶつかり合う修行の日々を重ねることで互いに心身ともに成長し合い、いつしか親子のような関係が結ばれるようになる。孤児のため独学で武術を極めた熊徹は、技術面で荒削りなところがあり、ライバルの猪王山には到底勝ち得なかったが、九太(蓮)を指導することによって、独りよがりな武術が次第に洗練されていく。
それから8年後、逞しく成長した九太(蓮)はある日、偶然に渋天街から人間界の渋谷に戻り、図書館で進学校に通う女子高生のと出会う。九太(蓮)はそれまで通り渋天街に住みながら、昼間は人間界に戻って楓から学校の勉強を教わるようになる。楓は九太(蓮)の勉強の理解が早いことに驚き、興味があるなら高卒程度認定試験を受けて大学進学を目指してはどうかと勧める。九太(蓮)も大学進学を考えるようになり、楓といっしょに区役所で住民票を調べるうちに、実の父親の住所を知り、父親との再会を果たす。そんなある日、熊徹は九太の寝床から人間の世界の教科書を発見する。人間の世界と縁が切れていなかったことを熊徹は問い詰め、そのことで九太(蓮)は渋天街を出奔してしまう。人間の世界で、父親は蓮に「一緒に暮らそう」という話をもちかけ、一旦はこれを拒絶した。蓮の心はさらに揺れ、自分の心の中に闇の部分があることを知る。
自分の心に決着をつけるために久々にバケモノの世界に戻ってみると、宗師後継者決定のための闘技会が行われていた。熊徹と猪王山の決戦であった。九太がいない熊徹は精彩を欠き、ノックダウンされて負ける寸前であった。九太は倒れた熊徹を激励、間一髪で立ち上がり、その後は九太の声援で勢いを取り戻し、最後に逆転して猪王山を倒す。熊徹と九太の心が再び通い、熊徹が宗師になることが決定した瞬間、猪王山の子の一郎彦が念力で投げ放った長刀が熊徹を背後から刺し貫いた。一郎彦もまた九太と同じく、猪王山に育てられた人間の少年であったが、その実の子ではないことに気づき、心に闇を宿していたのだった。九太は激しい怒りにより心の闇を増し、念力によって長刀を一郎彦に突き立てようとしたその瞬間、理性を取り戻し、刀は地面に落ちた。熊徹は瀕死の重傷を負うが、なんとか一命をとりとめた。しかし一郎彦は失踪してしまう。
九太(蓮)はおそらく人間界に行ったであろう、心に闇を宿したままの一郎彦を案じ、決着をつけようと渋谷に戻る。渋谷で九太(蓮)を発見した一郎彦は闇のパワーを炸裂させ、渋谷は各地で爆発炎上、大混乱に陥る。そのことで渋天街にも異変がおきる。意識を取り戻した熊徹は、宗師の特権として、みずからが神になることを決意する。九太(蓮)は一郎彦の闇を自分に取り込み、直後に刀で自分の胸を刺し貫くことで事態を収拾しようとした。その時、燃える剣が九太(蓮)の前に突き刺さった。それは神になった熊徹の化身であった。剣は九太(蓮)の胸に吸い込まれる。燃え上がる剣の使い手となった九太は、ついに一郎彦の闇を粉砕するのであった。
すべてが終わった後、一郎彦は闘技場での記憶が全くなくなった状態で、猪王山邸の自室で目を覚ました。旧宗師は後継宗師である熊徹がいなくなってしまったので、宗師を続投することになった。九太(蓮)は渋天街に戻ると、バケモノたちの拍手で迎え入れられる。そこに楓も姿を現す。蓮は人間界に戻ることを決意、父親と一緒に暮らすことになった。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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